走る仲間へのアドバイス

2005年04月15日
昨年の4月に行われた第108回ボストンマラソンの報告です。宇治川氏より投稿を頂きました。

レースの経過や結果をご覧になって、驚かれたかもしれません。
最大のポイントは当日の天候です。

最高気温は、華氏85度(29℃)となり、1987年の87度につぐ記録的な猛暑のレースとなりました。
天気予報で80度を越えることを知っていましたが、正午のスタート時には、大分暑くなっていて、私はその時点で、記録への挑戦をあきらめ、安全第一、マラソンテンポ(1km/5分)でなく、セカンドギアのミディアムロングランのペース(1km/5分15~20秒)で走ることにしました。
私のホームページで、主催者側の医療情報に関するページを和訳したのですが、
http://www.age.ne.jp/x/mu/BM/MBRC/faq.html

その中に、「ランナーの責任」という項がありました。

1.あなたの医者に診断を受けてください。
2.あなたのナンバーカードの裏に緊急連絡先や病歴を書き込んでください。
3.天気予報を聞いてください。リスクを知り、そして暑さ・寒さに応じて 準備してください。熱関連の傷害と低ナトリウム血症の両方が生命に関わる問題です。それに応じて、あなたの給水計画を調整してください。
4.給水に関するあなた自身の計画を立て、そして実行してください。天候や、レース中にあなたが感じる 状況のもとで、計画を調整してください。
5.もし、医学的な問題が起きたり、起きることを感じたら、すぐに援助を求めてください。あなたの身体を 酷使することは、ばかげており、危険です。
6.他のランナーに手を貸してください。

ボストンマラソンでは、給水所は1マイルごとに両側に、水とゲータレードが用意されており、できるだけ、給水しながら走りました。
予定のペース近い速さで、前半ははしりましたが、結構、昇り斜面もあり、中間点を過ぎ、心臓破りの丘が終わるまで(21マイル)は、少し歩きも入りました。
その後はやや下り斜面でもあり、何とか走ってゴールすることができました。
しかし、その下り斜面では、倒れて救護されている人を数多く見かけました。
顔面蒼白で、死人のような顔のランナーもいました。
「あなたの身体を 酷使することは、ばかげており、危険です。」を思い出しました。

翌朝の新聞を見ると、稀にみる暑さで、例年の倍以上の1100人を越える人たちが救護されたと報じていました。
68歳のSさんという方と日本でレース前に知り合いました。タイムもほぼ同じ方なのですが、心臓破りの丘の手前で抜かれました。しかし、Sさんは、ゴール前1kmの地点で気を失い、気が付いたのは病院の中で2時間後だったそうです。

無理しないで走ったことは、全然後悔しておりません。
ヨットレースでは、天候を考慮して「スタートしない。」こともレーサーの判断であり、大人のスポーツなのだと、シーカヤックのコーチの方がおっしゃってましたが、今回のは「大人(中高年)の判断」と思っています。

ただ、セカンドギアで走ったにもかかわらず、長い昇り坂に足が耐えられなかったのは、まだ脚力不足かもしれません。
クロスカントリーやマラニックなども取り入れてゆこうと考えています。

きっと、マラソンの女神様が、もっと練習して、もう一度おいで、とおしゃっているのでしょう。Sさんは、再来年70代になると、5位入賞の可能性があると、ボストンに行く前から言ってましたが、私も、再来年あたりに再挑戦しようかと思っています。

レースの翌々日に、ボストン体育協会のオフィスを訪問し、「16週間のマラソントレーニング」を書いたマイケル・ピエロニさんにお礼を述べてきました。
日本と米国にコーチがいる私は、とても贅沢者です。

2005年03月19日
ツールドフランスで有名なランスアームストロング選手が癌を患っていたことをご存知ですか?

闘病の末、また現場に復帰してがんばっています。
そんな彼は、彼同様癌と戦う人々のために財団を設立しました。
ここに売っている黄色の腕輪は、それらの基金に使われます。

http://66.179.198.182/

Yellow wakes me up in the morning.

Yellow gets me on the bike every day.

Yellow has taught me the true meaning of sacrifice.

Yellow makes me suffer.

Yellow is the reason I’m here

Lance Armstrong is a seven-year cancer survivor.

人は誰でも絶望の淵に追いやられることがあります。
しかし、大切なことは、そこからの生き方であることを彼は私たちに示しています。
本当の「健康」とはを。

2005年03月11日
Ⅳ いつかはホノルル/夢にみたJALホノルルマラソン

いつかはホノルルマラソン/
       JALホノルルマラソンにみる中高年の体力づくりのこれから④

■これからの健康づくり■

これまで私たちは感染症と戦ってきた。そして今、生活習慣病とも闘っている。さらに時代は「心の時代」へと変わろうとしている。
生活時間を工夫しトレーニングのための時間をつくる。走る技術を学び、体力を高め、トレーニングを処方し自らが自身の良き理解者になる。レースを選び、エントリーを済ませ、大会へのコンディショニングを行う。その過程はまさに自分探し・自己実現の過程でもある。
 時代が変わろうとも健康への願いは変わることはない。私たちの理念としてきたWHOの世界保健憲章は「健康とは、完全に良好な状態にあることをいう。」としている。しかし完全に良好な状態にある例はきわめて数少ない。これからは「障がいのあるなしにかかわらずより健康に生きようと努力すること」それが健康への証となる。
 生きとし生けるものには必ずや老化がやって来る。しかし、健康づくりに終わりはない。
健康への志を持ち続け、そして、社会のなかでより積極的に行動することへの惜しみのない援助を、私たち指導者は絶やさず続けなければならない。

※二ここで引用した参加者のデータはホノルルマラソン協会日本事務局より提供を受けた。感謝する次第である。

Ⅲ いつかはホノルル/夢にみたJALホノルルマラソン

いつかはホノルルマラソン/
       JALホノルルマラソンにみる中高年の体力づくりのこれから③

■これからの教室のがめざすもの■ 

間もなくジョギング教室の歴史は40年を迎える。ジョギングの社会的理解もなされてきた。)この40年で教室は、「走る」から「歩き・走る」教室へとその姿を変えた。
 現在では、性差・年齢・体力のレベルにかかわらず。正しい歩き方・走り方の学びの場として。速足で歩くウォーカー、ゆっくり走るジョガーの日々の運動実践として、そして時にはレースを楽しむというランナーのトレーニングの場として評価を得ている。そして、「これからの健康づくり」を考える時、私たちに与えられた課題は三つある。一つは、転ばない歩き方の維持を念頭に置いた指導の充実。二つは、ますます低下傾向を示す体力の維持(特に筋力)。三つは、「元気に」ホノルルや市民マラソンに参加していたランナー(男女とも55歳以降のホノルルへのエントリーは目に見えて少なくなる)への走る場の提供である。レースから遠ざかる理由は、仕事からのリタイア、子育てへの束縛と解放などライフスタイルの変化によるものにせよ、「走る」ニーズはどの年代にも必ずある。どんなニーズがあり、それにどのようサービスで応えていくかである。

Ⅱ いつかはホノルル/夢にみたJALホノルルマラソン

いつかはホノルルマラソン/
       JALホノルルマラソンにみる中高年の体力づくりのこれから②

関連記事:朝日新聞2005年03月11日(金)付朝刊p37に「東京で大都市マラソン、ボランティアで」
■これからの市民マラソン■

 これ程までに支持を受けた理由は何か?大きくは二つあげることが出来る。それは、制限時間の穏やかさ《語弊があるが、無きに等しい。2004年の最終ランナーは15時間00分であった。》と気候の温暖さであろう。《スタートして7時間後、12時頃の気温25~30度。もちろんそれに対応した給水の準備は十分なものが用意されている。》さらに各旅行社の集客への努力、ゴール地点でのサービスの提供も参加者が順調に増えてきた大きな要因である。
 「中高年を応援する」立場から記録を見てみる。2001年の記録では、中高年層(40歳から64歳まで)の平均完走タイムは他の年齢層に勝ることなく、劣ることなくである。ここでも中高年は頑張っているのである。この積極さは、国内でも変わらない、今年1月16日に行われた伊東オレンジマラソン《静岡。神奈川県を中心とした地域性の高い市民マラソン》もエントリー数で見ると、1,600名中40~50歳代の男女で307名を占めている。
 これからの市民マラソンのあり方を考える時、その条件は「中高年が参加しやすい事」が鍵になる。時間による参加資格をエントリー時に設けない、またレースの実施時においても「足きり」をしない事がこれからの市民マラソンの発展の条件である。これは中高年だけでなく、どの年齢層からの要望でもある。東京でも大規模なフルマラソンを開催する計画が進んでいると言う。定員を設けたり、時間によっては歩道を走るなどの交通規制を行う事は仕方がないにせよ、市民ランナーの支持を受けるには、この「時間」と言う条件をいかにクリアーするかであろう。

Ⅰ いつかはホノルル/夢にみたJALホノルルマラソン

いつかはホノルルマラソン/夢にみたホノルル
       JALホノルルマラソンにみる中高年の体力づくりのこれから①

これは、「国立競技場」(Vol548・編集・発行 独立行政法人日本スポーツ振興センター)に掲載したスポーツエッセイ「いつかはホノルルマラソン」を4つに分け、掲載するものです。紙面には、参加者の推移・2001年大会の参加者数と記録を掲載してありますが、ホームページでは省略させて頂きました。独立行政法人日本スポーツ振興センターのホームページにも掲載されています。
引用した参加者のデータは、ホノルルマラソン協会日本事務局より提供を受けました。感謝する次第である。

■2004年JALホノルルマラソン■

2004年JALホノルルマラソンは好天に恵まれ無事終了した。参加者も順調に増え、今年は各旅行社の募集状況はキャンセル待ち続出であったという。
 私がホノルルに初めて参加したのが1979年の第7回大会、当時の日本人参加者は500名だったという。さかのぼること6年前の1973年、162名の参加者(日本人参加者なし)で始められたホノルルマラソンは30年を経過し、心臓疾患のリハビリプログラムから世界でも有数の市民マラソンとして成長した。そして、日本人ランナーが最も親しみを持ち、夢に見るフルマラソンである。それに加え、最近人気急上昇中のレースデーウォーク/2001年まではメイヤーズウォーク《スタート地点からゴール地点となるカピオラニ公園までの10kmを歩く並行イベント》の参加者は、2004年5,545名(日本人 4,688名)と増え。合計20、000人近くの日本人が毎年ホノルルの道を歩む。
そして、完走率は99.7%という。さすがである。ちなみに関東地方で人気の高い「東京・荒川市民マラソン」は定員13000人(制限時間7時間、完走率は97,2%)である。

2005年02月14日
理想的な体型

色々な現場で「体型」まつわる色々な話や悩みを聞いてきました。一人一人の体型は違います。同じではありません。性・年齢・運動歴・食生活、によって違いが出るのは当然です。そんな折り、ある新聞記事に出会いました。

15から19歳で、「適正」な体重の範囲内にある女性のうち70%以上が「自分は太っている」と感じているそうです。(国民栄養調査/厚生労働省)皆さんはどうお思いでしょう?戦後の「まるまる太った大きな赤ちゃん」からツイッギー(知らない方が多いかもしれません)体型に時代は急激に変わってしまいました。「まるまる~」には意味がありました。戦争直後の感染症との戦いを十分な栄養摂取で戦おうとしていたその結論にあったと思っています。時代は変わり私たちは「肥満」とも戦っています。しかし、「細ければよい」のではありません。望ましい運動実践、バランスのとれた食事の延長線上に一人一人の「望ましい体型」が見えてきます。「何もしないで、何も食べない」細くなるのは簡単です。そうではありません。
ひとりひとりの理想とする「体型」とは何か?基準は何か?が欠けているように思えます。ボディーイメージという言葉をご存じですか?

2004年05月04日
あなたは、どんな状況にも対応出来ますか?

あなたは、どんな状況にも対応出来ますか?
そのための変化に富んだトレーニングをしていますか?今回はあるランナーを例にとって考えます。

結論から先に、色々なペースをコントロールしながら走ること(ペース走)が大切。そして経験として蓄積しましょう。

UGさんは、大きな故障もない、コンディションの大崩もない、レースでも安定した記録を出す。その彼が、去年からボストンマラソンを目指してトレーニングを始める。もちろん標準記録も突破。彼は、M.B.R.C.(めざせボストン・ランニング倶楽部http://www.age.ne.jp/x/mu/BM/MBRC/mbrc.html)を開設したり、ボストンマラソンのHPに掲載されている16週間のプログラムを自ら翻訳、実践している努力家、勉強家である。そして、彼は2004年4月20日、ついに念願のスタートラインに立つ。そして、刻々とメールで送られてくる途中経過に目を凝らす。10km地点、このまま行けば、3時間39分。上出来である。しかし、その後タイムが落ち始める。ハーフで、3時間46分。さらに、30kmで4時間03分。結局、ゴールは、4時間15分(net)。
その後のやりとりでその理由がわかる。スタート時刻、既に気温が摂氏29度(その後はもっと上がっていた)だったこと、そのため非常に暑いレースだったということである。

そのために彼がたった一つしたこと、それはペースを目標の5分/kmから5分15~20秒/kmに落としたことである。様々なペースを経験しない限り、豊かなペース感覚は簡単に生まれないし実際の場面でも生かされない、彼はそれが出来た。「無理しないで走ったことは、全然後悔しておりません。今回のは大人(中高年)の判断と思っています。」
と、ここで彼の”安全感覚”も本物であることがわかる。それでも、最後の心臓破りの丘では少し歩いたそうである。次へのステップは「脚力不足」を克服することだそうである。

ジョガーのためのフルマラソン

フルマラソンは大変!とお思いではありませんか?そうではありません。「ゆっくり、長く」を優先に考えると、かえってチャレンジしやすいことなのです。
フルマラソン完走の夢を持ちましょう。
そのための、準備は?
1.まず、3~5km走れること、スピードは問いません。歩くスピードでも構いません。

2.フルマラソン完走に向けた練習。
 ・ゆっくり走る、長く走ること、に慣れましょう。
 ・一定のペースで走る練習(ペース走・具体的には本番の予定タイム)をします。
  決してとばさず、「ゆっくり、長く」、これができれば、もう完走は目の前です。

3.大会エントリー。制限時間の緩いレースを選びましょう。制限が緩ければ、落ち着いて走れます。
ホノルルマラソンが海外マラソンでありながら人気なのはそれが理由の一つです。

走る世界への簡単導入メニュー

歩く(ウォーキング)ことも良いこと。始めの一歩は、走るより歩くことが大切です。
1.まず、一日一万歩歩きます。(万歩計を付けて朝起きてから寝るまで)

2.次は、一日一回運動の時間を作ります、目標は一回、一万歩、60分、6km。(これは時速6kmで一時間歩くと、移動距離は6km、歩数は約一万歩に相当すると言うことを意味しています)
ポイント:速足歩き(はやあしあるき)を心がけます。速く歩こうとせずに、動作を大きく。結果としてスピードが上がります。
速足歩きは、ジョギングの体力・技術の基礎になります。この時期にきちんとマスターすると後々のためになります。
技術的なポイントは、次回にすることにしましょう。

3.ここまで出来れば十分。走る準備が出来ました。
歩く方:スピードはそのままに、歩く距離を伸ばしましょう。
走る方(ジョギング):さあ走りましょう!!

大事なのは、走るスピード。速足歩きのスピード(時速6km・10分/km)で走ります。慣れないうちは、お隣で一緒に歩いてもらいます。これを、スピードメーターがわりにするといいですよ。