ランニングでは水を、そして塩も補給しましょう!

東京医科大学教授(腎臓内科)中尾俊之先生からの投稿です。
ヒトの身体の細胞はいつも体液に浸っている状態で生きています。

身体の細胞が浸かっている体液は細胞外液とよばれ、その量は体重のおよそ20%にあたります。ですから、体重50 kgの人では約10リットルの細胞外液を持っていることになります。この細胞外液という液体は単なる水ではなく、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどが溶け込んでいます。身体の細胞自身にも、もちろん水分が含まれていますので、これを合計すると身体の水分量は体重のおよそ60%にもなります。
 汗をかかない時でも、ヒトの皮膚からは自分で気づかないうちに、何時も一定量の水分が蒸発しています。また呼吸をするたび、息の中に水分が失われます。こうして気づかないうちに1日1リットル程度の水分が毎日、細胞外液から失われているのです(正確には、体重×15 ml / 日)。ですから、水分を摂らないとたちまち細胞外液が不足してしまいます。細胞外液が不足して細胞自体の活きが悪くなるような状態が脱水症です。これが進めば生命の維持が困難になってしまうのです。
ランニングで汗をかくとその分余計に、細胞外液が失われることになります。また、ランニングによりスッスー、ハッハーと呼吸が早くなると、その分、息の中に水分が余計に失われます。もし、ランニング後に体重が1kg減っていたとしたら、細胞外液が1リットル減少したと思わねばなりません。これは脱水症に近い状態です。細胞の活きが悪くなります。血液もドロドロになります。
気温が高い日の長時間のランニングでは、2リットル近くの汗が出ることもよくあります。水分の補給をしないと危険です。また、汗には水分と一緒にナトリウムやカリウム、カルシウムも出ていきます。とくにナトリムが多く、汗を1リットルかくと、およそ食塩3g分が失われます。ですから、給水と同時に食塩補給も必要なのです。水だけ飲むと細胞外液が薄まってしまい、だるさや疲労、筋肉痙攣(つり)の原因になったりします。是非今度、水分補給と同時に塩を舐めてみて下さい。汗を多くかく人ほど、ランニング時の細胞外液量の維持、ひいては体調維持に効果的と思います。  
                         (中尾 俊之)

運動不足と医療費

講道館ビルクリニック 所長(整形外科)小山 郁 先生からの投稿です。

柔道の総本山、講道館の中に開設したクリニックで、スポーツ外傷やスポーツ障害を中心に診療をしている医師です。

今までスポーツとは関わりなく生きてこられた方達にも、身体を動かす楽しみを知ってもらい、健康になっていただきたいと思っています。
さて、いきなりクイズです。
「喫煙」、「肥満」、「運動不足」、健康に害があると思われる三つのファクターの中で、一番、医療費を押し上げているのは何でしょうか。
 答えは・・・。
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 すぐにスクロールしないで、少し考えてみてください。
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 もう少し考えて・・・・・・。
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答えは「運動不足」なんだそうです。
人の出入りの少ない、九州のある地域で検討したところ、適正体重レベル(BMIが22以上で25未満)で、非喫煙者で、毎日1時間以上歩いている群の平均医療費は1年に約23万円だったのだそうです。
ところが、「喫煙」のみの該当者は医療費がプラス7.5%、「肥満」のみの該当者はプラス2.0%、「運動不足」群ではプラス25.5%となり、すべてに該当する人は健康的な生活をしている人より、約30%も医療費が高かったと報告されています。
つまり、「運動不足」という要因が医療費に与える影響が最も強く、「喫煙もしないが運動もしない人」より「少々喫煙をしても運動をしている人」の方がよく、「元気のない標準体重」よも、「元気な肥満」の方が健康だということが分かります。
私自身も運動はしていますが、別にそんなことまで考えて運動しているわけではないんです。運動後のビールや食事、仲間との会話が楽しみなだけなんです。