栄養を見直す
2006年02月22日
栄養を見直すⅧ「食育」
栄養を見直すⅧ「食育」
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
最近、「食育」という言葉をよく耳にしませんか?イメージとして、子どもに対する食事教育という印象を受けるでしょうか。もちろん、子どもの食生活の乱れや社会情勢の変化による食事そのもののあり方など、現代の「食」に対する問題は数多くあります。
そこで、ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、昨年7月に「食育基本法」という法律が制定されました。これは、食生活に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進を図ろうとするものです。
食育基本法には、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成、食に関する感謝の念と理解、子どもの食育における保護者、教育関係者の役割、伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配意及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献、などといった内容が示されているのです。「食品を食べる」ことは、単純ですが考えると複雑ですね。
日常、運動をして健康生活を送っている教室の皆様ご自身の食生活を見直すと、どうでしょうか?もちろん「問題なし!」でしょうか。しかし、簡単に食事内容を確認できるツールがあればいいですよね。
今、国が提唱しているものに「食事バランスガイド」があります。厚生労働省、農林水産省により決定されたものです。「コマ」の形をしたイラストで、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物が簡単にバランスよく摂取できるよう工夫されたもので、新聞や雑誌などでも見かけることがあります。これは、今まで食事バランスなど興味なかった方でも、自分の食事管理が少しでも出来るよう(点数で言えば0点の人が30~50点になれるように)、考えられたものです。国は普及運動に取り組んでおり、これから飲食店、コンビニなどでも、コマの形をしたイラストを目にすることと思います。次回は、この「コマ」について説明します。
2005年09月08日
栄養を見直すⅦ 「栄養機能食品のお話」
栄養を見直すⅦ 「栄養機能食品のお話」
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
最近、食生活や健康に関して何かと話題になっています。サプリメントブームも一つのその表れと思いますが、サプリメントの定義、範囲、名称などについては明かではなく、英語のdietary supplement を直訳したものが「栄養補助食品」という語句に近いと考えられているのです。
食品をよく見ると、栄養補助食品、栄養調整食品、美容食品、健康補助食品、特定保健用食品、栄養機能食品というように色々な名称が存在し、さらにその形態も、錠剤、カプセル状やドリンク状、通常の食品と同様の形とさまざまで、食品の位置付けなど消費者にとり非常にわかりにくいと思われますがいかがでしょうか。中には、怪しい食品もあるので注意が必要です。
厚生労働省は2001年に、いわゆる機能を表示する健康食品の類型化として、表示可能な内容に応じて個別に審査して許可する「特定保健用食品」(2005年2月からは規格許可型も認められるようになりました)、ならびに一定の規格基準を定めて許可する「栄養機能食品」とし両者をまとめて「保健機能食品」として制度化しました。
すなわち、保険機能食品であれば品質について明らかにされており、安心できると考えられます。今回は、この保険機能食品に含まれる、「栄養機能食品」についてのお話です。
栄養機能食品は、ビタミン、ミネラルといった人の生命活動に不可欠な栄養素について、医学・栄養学的に確立した機能の表示を行った食品で、「栄養機能食品」と明記されています。ビタミン、ミネラルの17成分(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA 、B1、 B2、 B6、 B12、C、D、E、葉酸、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム)について、厚生労働大臣の定めた規格基準(含有量が上限値・下限値の中に入っていること、機能表示、注意喚起表示が成されているなど)に従っていれば、メーカーさんの自己認証により「栄養機能食品」という表示が可能です。
栄養機能食品と記載されている食品を見つけたら、表示を良くごらんになってください。17の成分のうち何かが配合されていることが示されています。そして、栄養成分表示、1日の摂取目安量、1日の栄養素摂取目安量に対する充足率、機能表示、注意喚起表示が必ず表示されています。すなわち、表示されている成分含有量について安全性、品質に関しては保証されているのです。
ビタミン、ミネラル類を摂取しようとする場合、怪しい食品を用いるより「栄養機能食品」を使えば摂取量が把握できますし、まぁ安心・・ということですね。
2005年05月31日
栄養を見直すⅥ 「Body Mass Index (BMI)、体脂肪量と栄養アセスメント」
栄養を見直すⅥ 「Body Mass Index (BMI)、体脂肪量と栄養アセスメント」
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
Body Mass Index (BMI)とは、国際的に最もよく使われる「体格指数(成人に適応)」であり、体重(kg)÷ 身長(m)2で算出できます。日本肥満学会で はBMI18.5未満が痩せ、18.5~25未満が適正、25以上が肥満という判定法を使用しております。体重から肥満者、あるいは痩せをスクリーニングする一つの指標としての価値はあります。
次に単に体重が適正であっても、はたして体重に占める脂肪量が多いのか?筋肉量なのか?浮腫(水分・塩)なのか?ここが問題です。そこで、体脂肪量を目安とすることが一般的となっているのです。ただし、脂肪といっても、皮下脂肪と内臓脂肪があります。最近の体重計は体脂肪量測定機能がついているものが多いですが、皮下脂肪と内臓脂肪の両方を測定している機種が殆どです。
身体を構成する体成分はおもに、水分、蛋白質、体脂肪、無機質(骨)の四つの成分で構成されていますが、体内に微弱電流を流し、身体のインピーダンス(抵抗)を側底して体水分量を算出することにより、それをもとに理論的回帰式より各身体組成(水分、蛋白質、体脂肪、無機質)成分を算出する仕組みで、いわば屋根屋を重ねたような構造をもつ測定法になっています。直接、脂肪量を測定しているわけではありません。そこで誤差を少なくするためには、測定時にいくつかの注意点があります。
(体脂肪測定時の注意点)
①身長、年齢、性別を間違えない:身長を入力しますが、加齢により身長は低くなります。 昔の身長ではなく今の身長を。そして、年齢、性別も…
②できるだけ軽い服装で:一部の機種では衣服重量を差し引いて計算されるものもありま すが、その機能が無い場合、衣服重量は脂肪量として表現される。
③脱水や浮腫(むくみ)の無い状態で:運動直後の脱水状態で測定すると体脂肪量が実際 より多く測定される。中等度以上の運動では終了後1時間以上経過していること。
④消化管内容物、膀胱に尿が溜まっていない状態:胃に食物や水分が停滞している場合(食 後ならば3時間以上経過していること)や膀胱に尿が溜まっていると、その分が脂肪と して表現される。
これらの点を注意しながら体脂肪量を測定し、その変動を経時的にアセスメントすれば良いでしょう。私がお勧めする測定方法は、起床時、食前、排尿、排便後にできるだけ衣服を着ていない状態が良いと思います。競技場で測定する場合は、運動前が良いのではないでしょうか(教室前・後では後に脂肪量が増えていることがあります)。
体脂肪量は、体脂肪率とも表現され、一般的に成人男性で15~20%、女性で20~25%くらいが普通です。中高年の男女ではこの値より2~3%多くても許容されます。男性では25%、女性では30%を超えると軽度の肥満体とみなされます。競技場で運動習慣のある方ならば、この数値より低い方は多くいらっしゃると思います。また、競技性によてっも異なりますがマラソンランナーでは男女とも10%以下まで抑えていくようですね。
2005年04月21日
ジョギング・ランニングを楽しむための食事の話Ⅴ 嗜好食品(菓子類)のエネルギー量
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
色々な美味しいお菓子類があります。「これらは食べてはいけないの?」と思われますか?食べてはいけない食品なんてありません。上手に食べれば良いのです。
ただし、毒きのこなど自然毒成分が含まれている食品、汚染されている食品、腐敗している食品、含有成分が怪しい健康食品、危ない薬物などは、摂取しない方が良いでしょう!また、慢性疾患などで疾病治療中の方は、その疾患に合った食事管理を行って下さい。
菓子類は、高エネルギーというイメージがありますね。それは、洋菓子ではバター、生クリーム、砂糖など、和菓子でも砂糖、餡、もちなど、比較的少量でエネルギーの多い食材を使用するためです。よく、洋菓子より和菓子が良いと言われることもありますが、私は「良い・悪い」という表現は適切でないと思います。それより「どれだけ食べるか」ということが重要と思います。
(菓子類のおおよそのエネルギー量を示します)
ショートケーキ 1個(100g)350kcal
*ケーキ類は1個あたりだいたい300~400 kcalくらいです
アイスクリーム シングルコーンで150 kcal
チョコレート トリフ1個 60~80 kcal
アーモンドチョコ1個 30~40 kcal
メロンパン 1個 250~300 kcal
カレーパン 1個 300~350 kcal(油で揚げてあるので比較的エネルギー量が多い)
プリン 1個 200~300 kcal
大福餅 1個(大きいもの) 250~300 kcal
羊かん 70g(3cmくらい一切れ)200 kcal
どら焼き、鯛焼き 1個 200~250 kcal
スナック菓子類など、エネルギー表示がされているものはそれを参考にしてください。
空腹状態で教室に参加しても集中できないということであれば、菓子類を摂取しても良いのではないでしょうか。午後のお茶タイムに間食を摂取することもOKです。
肥満傾向を認める方は、そもそも食事全体の摂取量が多い場合や、アルコール、フルーツ、間食の摂取が多いなど原因は色々あります。体重管理をする場合は、1日の摂取状況を診て適切な食事管理をしましょう。決して、菓子類が悪者ではないと思います。
2005年04月08日
ジョギング・ランニングを楽しむための食事の話 Ⅳ 嗜好食品(アルコール類)のエネルギー量
アルコールについてお話します。ジョギングで汗を流した後、美味しい○○○を…、教室でもよく耳にしますね。適量飲酒は結構なことです。
アルコールの簡単なエネルギー量の計算方法ですが,アルコールのエネルギー量は1gあたり7 kcalで換算します。
例えば、ビール(アルコール5%)ですから、350cc飲むと350×0.05×7=122.5 とおおよそのエネルギー量が計算できます。しかしビールなどの醸造酒類には炭水化物やたんぱく質も少し含まれています。したがって食品成分表のエネルギー量を見ると、このアルコール換算した数値とは誤差があります。
飲酒量×アルコール%×7でおおよそのエネルギー量がわかるのです。
ここで注意したいことは、アルコールは食欲増進につながるということです。
つまみ類(副食)による過剰エネルギーには気をつけたいですね。特に揚げ物類のつまみは要注意です。そして、つまみが多くなれば、同時に食塩摂取量も多くなります。食塩も食欲増進につながります。運動をしてベスト体重を維持するには、どこまで飲んで食べるかご自身でコントロールが必要ですね。
* ビール・中ジョッキ1杯…140kcal
* 日本酒・1合…195kcal
* ワイン・グラス1杯…75kcal
* 焼酎25度・50cc…75kcal
* ウイスキー・50cc…120kcal
* 梅酒・50cc…80kcal
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
2005年03月28日
サプリメントについて、私の考え。
金澤 良枝
何も食べないより、サプリメントでも・・ということですが、ビタミン、鉄などだけではエネルギー源にはなりません。
とりこまりこえりこ氏よりのご質問への金澤先生の回答を「栄養を見直す」に転載させていただきました。
朝食の欠食は現代の食生活上の大きな問題となっております。最近、朝食を摂取しない子供はきちんと朝食を摂取している子供に比べ、学力、体力面などで劣っているという報告もありました。忙しい朝でもやはり、パンに牛乳、ゆで卵、トマト・・でもいいのですから食品を摂取したいものですね。
何も食べないより、サプリメントでも・・ということですが、ビタミン、鉄などだけではエネルギー源にはなりません。これにエネルギーゼリーなど追加すれば食べないより良いのかもしれません。しかし、人の体は口で咀嚼し、唾液が分泌され炭水化物が分解され・・・というように消化吸収、代謝の一連が成されているのですから、だだ噛まずにサプリメント類を、”ポン”と飲んでしまうのはあまり賛成できません。それに食事を楽しむこともできませんね。食品の色、かおり、味、など五感で感じながら摂取することが大切で、心も豊かになるのではないでしょうか。
運動習慣者では、ビタミン、ミネラルなど何もしない人よりきちんと摂取することは必要ですが、サプリメント類はあくまでも「補助」として捉えていただきたいと思います。もし、ビタミンやミネラル不足(特に鉄など;鉄欠乏性貧血)により症状があるのならば、きちんと治療するべきです。
(蛇足ですが、ビタミンB系のサプリメントを飲んで、尿が黄色くなったことありませんか?水溶性ビタミンは体内で足りていれば吸収されないで尿中排泄されているのです・・・。また、鉄のサプリメントも吸収率はそれほどよいものではありません。便が真っ黒(タール便)になることもあります。)
2005年03月14日
ジョギング・ランニングを楽しむための食事の話 Ⅲ「バランス良い食事?」どうすれば良いの??
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
「バランスの良い食事」と聞きますが、どのような食事がバランスがよいのでしょうか?
昔(今、お子様のいらっしゃる方でも)、小学校の給食献立表をもらった記憶はありますか?そこに、「赤群(血や肉をつくるもの)」「黄群(力や体温となるもの)」「緑群(からだの調子を良くするもの)」なんて、書いてありましたね。
食品に含まれる栄養素の働きの特徴から3つに分けているのです(この他にも6群法などもあります)。
「赤群」とは、魚・肉・豆類・乳類・卵など主におかずとなる食品で、主な栄養素でいえばタンパク質です。「黄群」とは、穀物・芋類・油脂類・砂糖などで、炭水化物、脂質がこれにあたります。「緑群」とは、緑黄色野菜・淡色野菜・海藻・きのこ類などで、ビタミン、ミネラル類です。
3群が揃うように食事を摂取することが良いのです。例えば、米飯、卵焼き、ほうれん草のお浸し、豆腐とわかめの味噌汁というように、組み合わせればよいのです。特に注意したいことは、野菜が不足しないよう、野菜は1日に350gは摂取したいものです(きゅうり1本100g、トマト1個120gくらいです)。また、フルーツは1日150g~200g摂取しましょう(みかん1個100gくらい)。
それと、油脂類が過剰にならないよう注意しましょう。昼食にとんかつ、夕食にも揚げ物類では油が過剰ですね。
もう少し詳しく説明しますと、三大栄養素の比率が重要なのです。ただしこれは、幼児期、学童期、青年期、成人期、妊産婦、高齢者など、ライフステージにより多少異なります。ここでは、成人期で示します。三大栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質ですが、この栄養素エネルギー比率が総エネルギー量に対して、炭水化物55~65%、たんぱく質12~20%、脂質20~25%程度であるのが、いわゆる「バランスの良い食事」なのです。
これを、1日の食品内容(1800~2000kcalとして)で示すと、
主食:1食のご飯量 ⇒
中茶碗1杯、コンビニのおにぎりならば2個分
パンならば…6枚切り2枚、又はバターロール3個
うどん、そばならば…1玉(1人前)
主菜:魚・肉・卵・大豆製品 ⇒ 毎食1品入れましょう。
副菜:野菜類、海藻類、芋類などのおかず ⇒ 野菜は毎食入れましょう。
芋類は毎日食べなくても良いです。1日量として350gは食べましょう。
油脂類:炒め物、揚げ物は1日1食で大丈夫。マーガリンやマヨネーズ、
ドレッシングも油の仲間です。大さじ1~2杯くらいにしましょう。
乳製品:牛乳、ヨーグルトなど1日に100~200g食べましょう。
フルーツ:1日に150~200g食べましょう。
このような、食品の摂取でおおよそのバランスがとれてくるのです。
でも… ここには、菓子類、アルコール類が入っていませんね…???
次回は、この点についてお話します。
2005年02月27日
ジョギング・ランニングを楽しむための食事の話 Ⅱ
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
1日の適正な摂取エネルギー必要量とは、基礎代謝量+食事誘発熱産生量+身体活動
に要するエネルギ-量です。
基礎代謝量:身体的、精神的に安静な状態で代謝される最小のエネルギー量であり、生命 を維持するために必要な最小限のエネルギー消費量
食事誘発熱産生量:消化、吸収に要するエネルギー量とその影響として観察される体温上 昇によるエネルギー量
身体活動に要するエネルギー量:日常生活活動(仕事・運動など)に必要なエネルギー量
WHO(世界保健機構)式の基礎代謝(kcal/day)計算式は以下の通りです。
男性 18~30歳 15.3×体重(kg)+679
30~60歳 11.6×体重(kg)+879
60歳以上 13.5×体重(kg)+487
女性 18~30歳 14.7×体重(kg)+496
30~60歳 8.7×体重(kg)+829
60歳以上 10.5×体重(kg)+596
これに、日常生活により消費されるエネルギー量を加えて、1日のエネルギー必要量となります。皆さんのように運動の習慣(運動の種類、運動時間により差は生じますが)がある方では、基礎代謝量に1.75~2を乗じれば良いでしょう。ここで大切なことは、これをもとに運動量や体重変化などを加味して、ご自分のエネルギー管理をしていけば良いということです。
ちなみに、ジョギングやランニングにより消費されるエネルギー量は、簡単な目安として「現体重×走ったキロ数」と考えられています。例えば、体重50キロで、10キロ走ったとすると、50×10=500 kcalの消費となるのです。
ところで、500 kcal分を実際の食事で考えると…
外食1人前のおおよそのエネルギー量ですが、にぎり寿司(値段・ネタにより違いますが)500~700 kcal、鍋焼きうどん(えびの天ぷら入り)600~700kcal、ビーフカレー700~800 kcal、とんかつ(ロース)定食800~900 kcal、というような感じです。簡単にパクパク食べてしまいますね。
次は食事の内容の問題です… これは次回にお話します。
2005年02月13日
ジョギング・ランニングを楽しむための食事の話 Ⅰ
東京家政学院短期大学 助教授/管理栄養士 金澤 良枝
1 栄養素と食事
「○○は体に良い? △△を摂れば筋肉が強くなる?」という言葉を聞きますが、これって変だと思いませんか?
食品の栄養素、成分について考えてみましょう。
食品に含まれる成分のうち、生活活動のための生理的な働きに役立つものを栄養素と呼びます。人に必要な栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つに分けられます。炭水化物、たんぱく質、脂質は三大栄養素と呼ばれるものです。
身体における栄養素の働きは次の3つに分けられます。
エネルギー源:自動車でいえばガソリンに相当し、三大栄養素がこれにあたります。その他、アルコールもエネルギー源になります。
身体の構成成分:自動車でいえばボディやエンジンに相当し、水、たんぱく質、ミネラルが主もので、身体成分を構成する材料です。その他、脂質、炭水化物も一部が利用されます。
身体の機能調整作用:自動車の潤滑油に相当し、ミネラルやビタミンがあたります。
以上の機能が組み合わさって相互に干渉し合いながら、すべての栄養素の新陳代謝がたえず行なわれているのです。人は外界から飲食物の形で必要な栄養素を取り込み(消化吸収)、そのエネルギーを代謝して生命現象を営んでいるのです。
私たちは、食品を調理して食事という形で栄養素を摂取しているのです。つまり「栄養素の複合された集合体を食事で摂取する」ということで、決して単独の栄養素のみを摂取しているわけではありません。サラダ油のような植物油は、100%脂質という単独の栄養素ですがサラダ油をガブガブと水のように飲むことはありませんよね・・。
よく、「○○は体に良い、△△を摂れば筋肉が強くなる・・」ということを聞きますが、その単独成分やある食品ばかり摂取しても効果の程は?
つまり食事全体の内容で勝負しなければ意味は無いのです。
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■あるあるさんからの質問('05/02/24)です。(COPYさせて頂きました。)
栄養の頁を担当されている金沢先生にお伺いしたいのですが、あるある大辞典で「これだけ飲めばやせる!」と太鼓判を押していたαリポ酸は本当に痩身効果があるのでしょうか?
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by あるある さんの質問に対して/金澤 良枝 ('05/02/24)
「これだけ飲めば痩せる!」
まず考えたいことは、人の体重が増えるか減るかは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスによるということです。摂取エネルギーが消費エネルギーより過剰であれば、体内でグリコーゲンや体脂肪として蓄えられます。また、消費エネルギー量が摂取エネルギーよりも過剰であれば、グリコーゲンや体脂肪がエネルギー源として使われ生命を営むこととなります。
よく、テレビ番組や雑誌で「○○を飲むと(食べると)…」とありますが、確かにその成分についての解説はされています。しかし、それを摂取した時、摂取しない時の体重変化は言っていても、体組成変化、摂取エネルギー量の変化などまでは詳細に示されていないものが殆どではないでしょうか?痩せたといっても、体脂肪、体蛋白量などの変化を観察し体脂肪が減っていればよいのですが、細胞内外液量が減って体重がおちているのは、単なる脱水です。
たまたま、その食品を摂取した時にはエネルギー摂取量も少なかったのかも知れません。情報の科学的根拠の有無を検証しなければいけないと思うのです。
by あるあるさんの質問された番組の内容はわかりませんが、ある成分が体内代謝でエネルギー消費に、有効に作用するということはあるかもしれません。しかし、本質はエネルギーバランスでありいくらそのような成分を摂取しても、エネルギー過剰であれば痩せることはなく、体重増加を招くと思います。
このような話題は皆さん興味のあることと思います。運動を継続し、適正エネルギー管理のなかでの体重・体組成管理についても、これから食事の話のなかに入れていきたいと思います。ただ痩せていることが美しいことではないと思います。「体の中身」の美しさではないでしょうか?



