運動不足と医療費

講道館ビルクリニック 所長(整形外科)小山 郁 先生からの投稿です。
柔道の総本山、講道館の中に開設したクリニックで、スポーツ外傷やスポーツ障害を中心に診療をしている医師です。


今までスポーツとは関わりなく生きてこられた方達にも、身体を動かす楽しみを知ってもらい、健康になっていただきたいと思っています。
さて、いきなりクイズです。
「喫煙」、「肥満」、「運動不足」、健康に害があると思われる三つのファクターの中で、一番、医療費を押し上げているのは何でしょうか。
 答えは・・・。
  /
  /
  /
  /
  /
 すぐにスクロールしないで、少し考えてみてください。
  /
  /
  /
  /
  /
  /
 もう少し考えて・・・・・・。
  /
  /
  /
  /
  /
  /
  
答えは「運動不足」なんだそうです。
人の出入りの少ない、九州のある地域で検討したところ、適正体重レベル(BMIが22以上で25未満)で、非喫煙者で、毎日1時間以上歩いている群の平均医療費は1年に約23万円だったのだそうです。
ところが、「喫煙」のみの該当者は医療費がプラス7.5%、「肥満」のみの該当者はプラス2.0%、「運動不足」群ではプラス25.5%となり、すべてに該当する人は健康的な生活をしている人より、約30%も医療費が高かったと報告されています。
つまり、「運動不足」という要因が医療費に与える影響が最も強く、「喫煙もしないが運動もしない人」より「少々喫煙をしても運動をしている人」の方がよく、「元気のない標準体重」よも、「元気な肥満」の方が健康だということが分かります。
私自身も運動はしていますが、別にそんなことまで考えて運動しているわけではないんです。運動後のビールや食事、仲間との会話が楽しみなだけなんです。